「生成AIを子どもに使わせてみたいけれど、何から始めればいい?」「個人情報や課金、変な文章を覚えないか心配」そんな不安を持つ保護者は多いです。

この記事では、小学生の家庭で無理なく始めるために、まず決めたい約束(ルール)と、最初に試しやすいプロンプト例をまとめます。親が“教え込む”のではなく、“安全に試せる環境”を作ることが目的です。

結論:親子で決めたい生成AIのルールは「5つ」でOK

  • 個人情報は入れない(名前、学校名、顔写真、住所、連絡先、位置情報)
  • 課金とアカウントは親が管理(勝手に登録・購入しない)
  • 出てきた答えは“正しいとは限らない”(宿題は必ず確認)
  • 困ったらすぐ親に見せる(怖い内容、性的・暴力的、差別的、知らない人とのやり取り)
  • 使う時間・場所を決める(リビング、1回10分など)

なぜルール作りが先? 生成AIは「便利な道具」だからこそ

生成AIは、検索よりも会話に近い形で答えが返ってきます。子どもにとっては使いやすい一方で、次のような特徴があります。

  • もっともらしく間違えることがある(根拠がない説明でも自信ありげに書く場合があります)
  • 入力した内容が“外に出る前提”で考える必要がある(サービスごとに扱いは異なるため、家庭では保守的に運用するのが安全です)
  • 操作が簡単なので、課金や外部サービスに触れやすい

だからこそ、最初は「やっていいこと・だめなこと・困ったとき」を決めてから始めると、親も子も安心して試せます。

親子で決める「生成AIの約束」テンプレ(そのまま使えます)

低学年は短く、高学年は理由も含めて合意するのがおすすめです。まずは家庭用の“ミニ契約”として、紙に書いて見えるところに貼ると続きやすいです。

約束1:個人情報は入れない

入れないものを具体的に決めます。

  • フルネーム、学校名、学年・クラス、住所
  • 顔写真、制服、名札が映った画像
  • 電話番号、メール、SNSアカウント
  • 習い事の場所や帰り道が特定できる情報

親の声かけ例:AIには「家の中のこと」や「だれのことか分かる情報」は入力しないでね。どう書けばいいか迷ったら、一回止めて見せてね。

約束2:課金・登録は親がやる

生成AIは無料でも使えますが、追加機能や外部サービスが出てくることがあります。

  • アプリのインストールは親に確認
  • 新規アカウント登録は親が操作
  • 有料プランや課金はしない

親の声かけ例:ボタンを押す前に「お金がかかる?登録がいる?」を一緒に確認しよう。

約束3:宿題は「答えを写さない」、AIは“ヒント役”

生成AIにそのまま解答を作らせると、学びが残りにくくなります。おすすめは「ヒントをもらう」「手順を教えてもらう」「自分の文章を直す」です。

家庭ルール例:宿題は「途中まで自分で→分からないところだけ質問」。最終答案は自分の言葉で。

約束4:変だなと思ったら中断して親に見せる

怖い内容や、相手を傷つける表現が出る可能性もゼロではありません。

  • 怖い、気持ち悪い、恥ずかしいと感じたらすぐ終了
  • 画面を消す前に親に見せる
  • 「誰かに送ろう」は一度ストップ

約束5:使う時間と場所を決める

だらだら使いを防ぎ、親が見守りやすくなります。

  • 場所:リビングのみ
  • 時間:1回10分、1日合計20分まで
  • 目的:今日やることを決めてから使う

最初に試すと安心:親子で使えるプロンプト例(小学生向け)

最初は「学びになる」「個人情報を入れなくて済む」テーマが安全です。以下は、そのままコピペして使える例です。

1)読書感想文の“構成”だけ手伝ってもらう

プロンプト例

小学生向けに、読書感想文の書き方を教えて。最初に「書く順番」を3つに分けて。具体例は入れずに、型だけ教えて。

ポイント:内容を作らせず、順番だけ。自分の体験や感想は子どもが書きます。

2)算数は「途中の考え方」を聞く

プロンプト例

小学生にわかるように、考え方を一つずつ説明して。答えは最後に1行だけ。途中の式をていねいに。

ポイント:答えを先に出さない設定にします。子どもが途中を説明できるか確認します。

3)英語は“クイズ”にして練習する

プロンプト例

小学生向けに英単語クイズを5問出して。テーマは「食べ物」。むずかしすぎない単語で。1問ずつ出して、答えたら解説して。

4)自由研究は「計画」を一緒に作る

プロンプト例

小学生の自由研究で「紙ひこうき」をテーマにする。比べる実験の計画を3案出して。安全にできて、お金がかからない方法で。必要な道具も書いて。

5)プログラミングの発想を育てる「手順化」

プロンプト例

小学生向けに、「朝の支度」をまちがいが起きないように手順にして。番号つきで10個以内。最後に、手順をよくする質問を3つして。

ポイント:「順番に分ける」「抜けを見つける」はプログラミング的な力につながります。

親がラクになる見守り方:チェック質問を決めておく

毎回つきっきりは難しい家庭も多いです。そこで、短い“確認フレーズ”を固定すると回ります。

  • 今日、AIに何をしてもらう予定?
  • 個人情報は入れてない?
  • その答えは本当? どこで確かめる?
  • 自分の言葉で説明できる?

子どもが説明できれば、理解している可能性が上がります。説明できなければ、質問の仕方を一緒に直すチャンスです。

生成AIと相性のいい学び方:作る→試す→直す→伝える

生成AIは、正解をもらう道具というより「試行錯誤を速くする道具」として使うと学びが残りやすいです。

  • 作る:アイデアを出す、構成を作る
  • 試す:書いてみる、動かしてみる
  • 直す:うまくいかない理由を言語化して改善
  • 伝える:何を工夫したかを説明する

これはプログラミング学習の流れとも似ています。家庭でのAI活用が「作って直す」方向に向くと、習い事選びの軸もはっきりしてきます。

スクール選びのチェックリスト:生成AI時代に見たいポイント

もしプログラミング学習も検討しているなら、次の観点で比較すると安心です。

  • 目的:ゲームを作りたいのか、思考力を伸ばしたいのか
  • 作品づくり:作ったものを見せられるか、振り返りがあるか
  • 少人数・フィードバック:つまずきに気づいてもらえるか
  • 安全面:オンライン時のルール、個人情報の扱い、保護者への共有
  • 継続支援:振替、家庭学習のガイド、相談のしやすさ

Kids with Codeでも、作品づくりを通して「作る→試す→直す→伝える」を大切にしながら、保護者が無理なく関われる形を整えています。家庭でのAI活用と同じく、正解を覚えるより“考え方”を積み上げたいご家庭は、カリキュラムの流れを確認してみると判断しやすいです。

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よくある誤解:生成AIを使うと考えなくなる?

使い方しだいです。答えをそのまま写す使い方だと、確かに考える量は減ります。一方で、次の条件を満たすと「考える時間」を増やせます。

  • AIには答えではなく、手順・ヒント・質問を出させる
  • 子どもが自分の言葉で説明してから次に進む
  • 出力をうのみにせず、根拠や確認方法をセットにする

保護者の役割は、先生になることではありません。安全な枠を作り、試行錯誤を見守ることです。

まとめ:まずは「5つの約束」と「最初のプロンプト」から

  • 親子で安心して使うには、個人情報・課金・確認・相談・時間の5点を先に決める
  • 最初は、感想文の型、算数の手順、自由研究の計画など“ヒント型”が安全
  • 「作る→試す→直す→伝える」の流れは、生成AIにもプログラミングにも共通する

家庭で少し試してみて、「この流れを継続して身につけたい」「作品づくりとして伸ばしたい」と感じたら、スクールの体験で子どもの反応を見るのが近道です。

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参考情報

  • 文部科学省(2019)「GIGAスクール構想」関連資料
  • こども家庭庁(2023)「こども基本法」
  • OECD(2018)「The Future of Education and Skills 2030」