「もうやだ!できない!」
せっかく始めたプログラミング。あるいは、家で一生懸命取り組んでいる工作や算数の宿題。そんな時、思い通りにいかなくて泣き出したり、投げ出したりするお子さんの姿を見て、胸がキュッとなることはありませんか?
「こんなにすぐ落ち込むなんて、うちの子には向いてないのかな」
「もっと楽しく、スイスイ進めるものを選んであげたほうがいいんだろうか」
励まそうと思っても、つい「そんなことで泣かないの」と強い言葉が出てしまったり、逆にどう声をかけていいか分からず、ただ見守るしかない自分に焦りを感じたり……。
そんな風に、お子さんの「失敗」を前にして、不安な気持ちを抱えているお父さん、お母さん。まずは、毎日お子さんの成長を一番近くで見守っているご自身を、少し労わってあげてください。あなたは十分、お子さんのことを大切に考えていらっしゃいます。
今日は、プログラミングという「失敗が当たり前」の世界を通じて、お子さんの今の姿がどうして「素晴らしい成長の途中」だと言えるのか、少しお話しさせてください。
プログラミングって、そもそも「失敗が当たり前」の世界なんです
プログラミングと聞くと、なんだかスマートで、迷いなくキーボードを叩いて正解を導き出すようなイメージがあるかもしれません。でも、実際はその真逆なんです。
実は、毎日パソコンに向かっているプロのエンジニアでも、書いたコードが一発で完璧に動くことなんて、ほとんどありません。画面にエラーが出たり、思ったのと違う動きをしたり。作業時間の半分以上は、実は「うまくいかない原因を探して、直すこと」に使われています。
つまり、プログラミングにおいて「失敗」は、何かが間違っているという「ダメな証拠」ではなく、次に進むための「ヒント」に過ぎません。
「間違えたらやり直せばいい」
「エラーが出たということは、一歩進んだということ」
そんな風に、失敗が「通常運転」である世界。だからこそ、お子さんが今、壁にぶつかって悩んでいるのは、プログラミングの本質に真正面から向き合っている証拠でもあるのです。
「失敗しない子」より「失敗して考える子」が伸びる理由
親としては、子どもがスラスラと課題をクリアして、キラキラした笑顔で「できた!」と言う姿を見たいものです。でも、本当にお子さんの力が伸びているのは、「できない……」と頭を抱えている瞬間だったりします。
失敗したとき、お子さんの頭の中ではこんなことが起きています。
- 「なんで動かないんだろう?」(原因を探している)
- 「さっきのここを変えたからかな?」(予想を立てている)
- 「次はこっちを試してみよう」(試行錯誤している)
これは、ただ正解を教えてもらってなぞるだけでは決して得られない、一生モノの「考える力」です。
もし、「できた・できない」じゃなくて、「今、一生懸命考えてるんだな」「まだあきらめてないんだな」って見てあげられたら。
お子さんの落ち込む姿が、また違った景色に見えてくるかもしれません。あきらめそうになりながらも、画面をじっと見つめたり、もう一度マウスを握り直したりするその背中にこそ、未来を切り拓く力が育っています。
失敗を避ける環境が、学びを止めてしまうこともあります
私たちは親として、子どもが傷つく姿を見たくありません。だからこそ、ついつい「よかれと思って」やってしまうことがあります。
子どもが悩む前に、答えを教えてしまったり。失敗して悲しむ姿を見たくなくて、先回りして手を貸してしまったり。「お友達はもうできているよ」と、つい言ってしまったり。
これ、全部、愛情からですよね。「早く楽にさせてあげたい」「傷つけたくない」という、親としての当たり前の優しさです。
けれど、あまりに「正解」や「スムーズさ」を優先してしまうと、子どもは「失敗=いけないこと」だと感じてしまうことがあります。すると、失敗を恐れて挑戦しなくなったり、自分で考えることをやめてしまったりすることも。
「失敗してもいいんだよ。お父さんもお母さんも、あなたが考えているその時間が一番素敵だと思うよ」
そんな風に、失敗をまるごと受け入れる温かい眼差しがあることで、子どもたちは初めて、自分の力で一歩踏み出す勇気を持てるようになります。
「失敗してもいい」と言える環境が、子どもに与えるもの
「ここでは失敗しても怒られない」「何度でもやり直していい」
そう心から思える環境は、子どもに圧倒的な「安心感」を与えます。
この安心感こそが、これから先、お子さんがどんな壁にぶつかって、たとえ転んでしまったとしても「また立ち上がればいい」と思える心の土台になります。
- 安心して挑戦できる:失敗が怖くなければ、新しいアイデアをどんどん試せます。
- 自分で考えていいと思える:誰かの顔色を伺うのではなく、自分の「やりたい」を形にできます。
- 「できない=終わり」ではなくなる:うまくいかなくても、それを乗り越える方法を自分で探せるようになります。
プログラミングを通して手に入るのは、単なる技術(スキル)だけではありません。「失敗は終わりではなく、次の成功へのプロセスなんだ」という、自分を信じるための大切な価値観なのです。
失敗の多さは、成長の途中にいるサインかもしれません
もし今、お子さんがプログラミングの学習で「向いてないんじゃないか」と思うほど苦戦していたとしても、どうか焦らないでください。
その失敗の多さは、お子さんが「自分の力で何とかしようとしている」という、強いエネルギーの現れかもしれません。今のうちにたくさん失敗し、悔しがり、そこから立ち上がる経験をさせてあげられるのは、ある意味、今だけの贅沢な特権でもあります。
今日、私たち保護者ができることは、たった一つ。
「できたこと」を褒めるのと同じくらい、「うまくいかなくて悩んでいる時間」を大切に見守ってあげることです。
「一生懸命考えているね。その時間が一番かっこいいよ」
そんな言葉を、そっと背中に添えてあげるだけで十分です。
もし、失敗を責めずに、考える時間を大切にしてくれる学びの場があったら。
子どもたちは、もっと自由に、もっと自分らしく、未来を描き始めてくれるのかもしれません。
あなたのお子さんが、今日も何かに挑戦して、悔しがっているとしたら。
その姿は、きっと誰かの「理想の学びの姿」そのものです。
「失敗してもいい」、「考える時間を大切にする」。
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