プログラミングに興味はあるけれど、子どもがエラーで固まってしまう。うまくいかないと「もうやらない」と投げ出す。そんな様子を見ると、保護者としては不安になります。
この記事では、子どものプログラミング学習で必ず出会う「デバッグ」を、論理的思考を伸ばすチャンスに変える考え方と、家庭でできる声かけ・環境づくりをまとめます。親が教え込むのではなく、子どもが自分で原因をたどれるように支える方法が中心です。
結論:エラーを「学びの手順」に変えると、論理的思考が育ちます
- デバッグとは、原因を見つけて直す作業ではなく「原因特定→仮説→検証」を回す練習です。
- 親の役割は正解を教えることではなく、考える順番を言葉にして渡すことです。
- 「どこまでできている?」の確認から入ると、子どもは落ち着いて切り分けできます。
- 課題は小さく分け、試す回数が増える設計にすると挫折しにくくなります。
- スクール選びは、作品づくりとフィードバック体制があるかが重要です。
「デバッグ」って何?子ども向けに言うとこうなります
デバッグは、プログラムの間違いを見つけて直すことです。子ども向けには「うまくいかない理由を探して、試して、直すこと」と伝えると分かりやすいです。
ここで大事なのは、エラーをなくすこと自体ではありません。エラーが出たときに、順番に考える力が育つ点です。具体的には次のような行動が増えていきます。
- 起きていることを言葉で説明できる
- 原因の候補をいくつか出せる
- 一度に全部変えず、1つずつ試せる
- うまくいった条件を再現できる
これらはまさに「論理的思考」の観察できる姿です。いわゆるセンスより、手順の積み重ねで伸びます。
子どもがエラーで折れやすいのは、能力不足ではなく「負荷」が高いから
小学生がエラーで止まるのは珍しくありません。多くは次の負荷が重なっています。
- 目標が大きすぎて、どこから直せばいいか分からない
- 画面に英語や記号が出て怖い
- 間違い=ダメ、と感じてしまう
- 説明する言葉がまだ育ち途中で、モヤモヤを言えない
だからこそ、保護者が「気合い」ではなく「手順」に落とす支援をすると効果が出やすくなります。
親の声かけは「正解」より「順番」。使いやすい5つのフレーズ
デバッグで大切なのは、子どもの頭の中にある状況を外に出すことです。次の声かけは、論理的思考の流れに沿っています。
1) 「いま、どこまでできてる?」
できていない所ではなく、できている所から確認します。切り分けが進み、子どもも安心します。
2) 「本当は、どう動いてほしい?」
ゴールを言葉にすると、原因探しが始めやすくなります。曖昧なままだと修正が迷子になります。
3) 「変えたのは、どこ?」
直前に触った部分を特定できると、原因候補が一気に絞れます。これはデバッグの基本です。
4) 「1つだけ変えて試そう」
一度にたくさん直すと、何が効いたのか分からなくなります。検証の力が育つ声かけです。
5) 「うまくいった時と何が違う?」
成功と失敗の差分を見る習慣がつきます。比較は論理的思考の土台になります。
家庭でよくある場面:つまずき→声かけ→立て直しの例
たとえばScratchのようなビジュアルプログラミングで、キャラクターが動かない場面を想像してください。
よくあるつまずき
- 「動かない!バグった!」と言って投げる
- ブロックを適当に増やして余計に分からなくなる
保護者の声かけ例
- 「どこまでできてる?クリックしたら何か起きる?」
- 「本当はどうしてほしい?右に10歩動く?」
- 「さっきから何を変えた?」
- 「じゃあ1回、スタートのブロックだけにして動くか試そう」
子どもの中で起きる変化
この流れだと、子どもは「全部ダメ」から「ここは動く、ここが怪しい」へ視点が移ります。原因を小さくできた時点で、挫折の山を越えやすくなります。
挫折しにくい課題設定:低学年と高学年で少し変える
同じ小学生でも、集中力や達成感のポイントは学年で違います。家庭や習い事選びでは、次のように課題の作り方を調整すると続きやすいです。
低学年は「短い成功」を多く
- 目標は10〜15分で一区切り
- 動きや音など、結果がすぐ見える作品
- 選択肢を2つに絞る(背景はこれとこれ、など)
高学年は「理由を説明する」までをセットに
- 直した点を1行で説明する
- 「次に試すこと」をメモに残す
- ルールがあるゲーム制作で、条件分岐を増やす
家でできる「デバッグが進む環境づくり」4つ
1) 途中保存の習慣をつくる
保存があるだけで安心感が増えます。「戻れる」と分かると試行錯誤が増えます。
2) 時間で区切る
行き詰まったら、5分だけ休む、別のことをして戻る。大人でも有効です。粘り続けるより効率が上がります。
3) 相談しやすい空気を固定フレーズで
「聞いていいよ」より「どこまで分かった?」のほうが会話が始まります。叱責や急かしは避け、状況整理から入ります。
4) 作品を見せる相手をつくる
家族に見せる、祖父母に説明する、発表の場がある。人に伝える前提があると、直す意欲が続きます。これはSTEAMでいう「作る→試す→直す→伝える」の循環にもつながります。
「デバッグの練習をさせたいけれど、親が教えられない」と感じる場合は、少人数で講師が伴走し、試行錯誤の言語化まで支援してくれる教室が向きます。Kids with Codeのカリキュラムやサポート体制を先に確認しておくと、家庭の負担感の見通しが立ちます。
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スクール選びで見たいチェックリスト:デバッグ力が伸びる条件
- 作品づくりが中心で、試して直す工程がカリキュラムに組み込まれている
- 講師が答えを言うのではなく、ヒントで原因特定を促す
- 少人数または質問しやすい仕組みがある
- つまずきの記録や振り返りがある
- 振替やサポートがあり、止まっても再開しやすい
- オンラインの場合、保護者が安全面を確認できる運用がある
よくある誤解:デバッグが多い=向いていない?
デバッグが多いからといって、子どもが向いていないとは限りません。むしろ学びの中心がそこにあります。大切なのは、エラーの量ではなく、次の行動に移れるかどうかです。
- エラーを見て固まる→声かけで状況を言えるようにする
- 適当にいじる→1つだけ変える習慣にする
- 投げ出す→短い成功に分けて達成感を積む
この変化が見えてきたら、論理的思考は着実に育っています。
参考になる考え方:試行錯誤は学びの基本プロセス
プログラミングに限らず、学びは「試す→結果を見る→直す」の繰り返しで深まります。学校教育でも、情報活用や問題解決の力が重視されており、プログラミングはその題材になりやすい分野です。
出典:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」および関連解説資料
まとめ:エラーは失敗ではなく、論理的思考の入口
- デバッグは「原因特定→仮説→検証」の練習で、論理的思考につながります。
- 親は教えるより、考える順番を支える声かけが効果的です。
- 課題は小さく、試す回数が増える設計にすると継続しやすくなります。
- スクールは、作品づくりとフィードバック体制で選ぶと安心です。
「うちの子はエラーで止まりがち」「親のサポート量が心配」「続けられる形を探したい」と感じたら、まずは体験や相談で、教え方と雰囲気を確かめるのが近道です。
