大切な“声のかけ方”で「もうやらない!」の瞬間に寄り添うために
プログラミングの学習で、お子さんが壁にぶつかったり、うまくいかずに立ち止まってしまったりする時、親としてどう声をかけたらいいのか、迷うことはありませんか?
「これでいいのかな」「もっと頑張れと言うべき?」――そんなふうに悩むのは、とても自然なことです。
このコラムでは、子どもがプログラミングで失敗して立ち止まってしまった“その瞬間”に、親としてどう関わればいいのかを、一緒に考えていきます。
正解の言い方を探すのではなく、迷いながら寄り添うための考え方の軸を持ち帰ってもらえたらと思います。
プログラミング学習における「うまくいかない経験」の捉え方
プログラミングは、思い通りに動かない、エラーが出る、何度やっても失敗する……そんな「うまくいかない経験」がつきものです。
でも、その一つひとつが、子どもにとっては「考えている途中」であり、学びの真ん中にある時間でもあります。
うまくいかない経験を重ねながら、子どもは少しずつ「どうしたらいいだろう」「別の方法はないかな」と考える力を育てていきます。
結果が出ない時間は、遠回りに見えるかもしれません。でも、その時間があるからこそ、試行錯誤する力や粘り強さが育っていくこともあります。
親としては、「このままで大丈夫かな」と不安になることもあるでしょう。
そんな時こそ、すぐに正解へ導こうとしなくてもいい、という視点を持てると、少し気持ちが楽になるかもしれません。
声かけに込めたいのは「正しさ」よりも「安心感」
子どもが立ち止まっている時、どんな言葉をかけるか以上に大切なのは、どんな気持ちで、どんなトーンで寄り添うかなのかもしれません。
たとえ言葉が少なくても、
「そばにいるよ」
「一緒に考えてもいいよ」
そんな空気が伝わるだけで、子どもは少し安心できることがあります。
プログラミングの学習は、失敗を重ねる前提の学びです。
だからこそ、親が「失敗しても大丈夫」「今は途中なんだよ」という姿勢で関わることが、子どもにとっての安全基地になることもあります。
親自身も、「完璧な声かけ」を目指さなくて大丈夫です。
迷いながら関わる姿そのものが、子どもにとって大切なメッセージになることもあります。
声かけの前に、ひと呼吸置いてみる
子どもが「もうやらない!」と言った時、親の心も一気に揺れます。
「せっかくここまでやったのに」
「時間もないのに」
そんな焦りが湧いてくることもあるでしょう。
そんな時は、声をかける前に、ほんの少しだけ立ち止まってみてください。
「今、この子は何に困っているんだろう?」
・うまくいかなくて悔しいのか
・わからなくて不安なのか
・ただ疲れてしまったのか
理由は一つではありません。
すぐに解決しなくても大丈夫です。
「気づこうとすること」自体が、声かけをやさしくしてくれます。
考える力を止めにくい声かけの“方向性”
ここでは、「こう言えば正解」という形ではなく、考え方の方向性としていくつかの例を紹介します。
そのまま使わなくても構いませんし、合わない時は無理に使わなくても大丈夫です。
たとえば、こんな声かけもあります。
- 「うまくいかなくて、悔しい気持ちなんだね」
- 「どこが一番ややこしかったと思う?」
- 「さっきと、今で何か違うところはあるかな?」
- 「今日はここまでにして、また明日考えてみるのもありだね」
大切なのは、答えを教えることよりも、考える余白を残すことです。
問いかけや共感の言葉が、子ども自身の思考をもう一度動かし始めるきっかけになることもあります。
親もまた、迷いながら成長している途中
「今の声かけでよかったのかな」
「別の言い方があったかもしれない」
そんなふうに振り返る時間も、決して無駄ではありません。
子どもが試行錯誤しながら学んでいるように、親もまた、関わり方を模索している途中なのだと思います。
完璧な言葉を探さなくても大丈夫です。
正解を出せなくても大丈夫です。
子どもが立ち止まったその瞬間に、
「どうしたんだろう」と目を向け、
「一緒にいよう」と思えること。
その姿勢こそが、子どもにとっての安心になり、次の一歩につながっていくのかもしれません。
迷いながらでも、寄り添っている。
それだけで、もう十分です。
「失敗してもいい」、「考える時間を大切にする」。
そんな考え方のもとで行われているプログラミング教室をお探しの方へ。
▶ 考える力を育むプログラミングスクール Kids with Codeの考え方

